まずモデムとの接続を確認します。 モデムとの接続は NetBSD ではデバイス com として見えるはずです。 MS-DOS でも COM というデバイス名を使いますが、 MS-DOS では COM1 から始まるのに対して NetBSD では com0 から始まるので、 特に NetBSD/i386 ユーザの方は注意してください。 com(4) のマニュアルにあるとおり、接続を受け付ける側は tty を、 接続を開始する側は dty を使用します。 両者の違いはここでは説明しませんが、 tty(4) で説明されているので、興味のある方は参照してください。
モデムとの接続を確認する方法として、 NetBSD 標準のコマンドではあまり簡単な方法がないのですが、 tip コマンドを使用するのが一番良いと思います。 tip コマンドを使用するためには、接続するデバイスの定義を /etc/remote に追加する必要があります。 例えば com3 に接続するには以下のような定義が考えられます。 (パラメータの意味は remote(5) を参照してください)
test3: \ :dv=/dev/dty03:br#19200:pa=none:dc:
また dv パラメータに指定するデバイスファイル(上記の例では /dev/dty03) が存在することを確認してください。 存在しない場合は MAKEDEV で作成する必要があります。
tip コマンドは、dv パラメータに指定するデバイスファイルに アクセスできるユーザで実行してください。 ここでは root を使うものと仮定します。 /etc/remote で定義したラベル(上記の例では test3)を 引数に与えて起動します。
ほとんどのモデムは AT コマンド体系を採用しています。
正常に接続されていれば、「AT
」と入力して改行すると
「OK
」という応答があるはずです。
何も応答がない場合や、2 回改行してはじめて応答がある場合などは、
モデムとの通信に何らかの問題があると考えられます。
終了方法が特殊なので気をつけてください。
「~.
」(チルダ,ピリオド)と続けて押すと終了します。
# tip test3 connected AT OK ~ [EOT] #
続く